ThinkPadを自分で修理 ThinkPad X260の液晶パネルを交換する
2018.09.24 Monday | category:修理
三連休ということで先日のThinkPad故障 「ThinkPad液晶パネルの割れによる故障」の記事に書いたThinkPad X260の液晶の自前での修理をしました。
Lenovoサポート 修理サービス - 引取り修理サービス料金( https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/hf000982 ) では、液晶不具合の場合は約5万円からの修理料金がかかります。液晶パネルがフルHDのIPS液晶なのでTNのHDパネルからの差額を考慮すると6万円くらいになると思われます。
自前修理の場合には、保証はありませんが作業費がかかりませんし、輸送費もいりません。交換パーツも海外サイトから直接やアマゾンなどで上手に仕入れれば安くできます。作業はすべて自己責任となります。
■修理の事前準備
1. 故障個所を確認する。
2. 交換対象パーツの製品番号(品番)を確認する。
(起動時の画面や分解して配線状況などといっしょに調べます。)
3. 交換パーツを注文する。
■ThinkPadを自分で修理する手順
1. 納品された交換パーツを確認する。
2. ThinkPad分解作業の作業スペースと道具などを用意する。
3. 分解する。
4. 故障したパーツを取り外す。
5. 正常なパーツを取り付ける。
6. 仮組みして簡易動作確認する。
7. 詳細な動作確認をする。
以上で完了です。長時間の表示状態の確認は使いながら確認することにします。
ここまでの液晶パネルの交換から動作確認の様子を写真とともに紹介します。ほかのThinkPad Xシリーズでも参考にしていただければと思います。
<EMSで届いた品物>
EMS 国際郵便物としてCHINAの国際交換局(GUANGZHOU EM)から東京都の国際交換局(138-8799 東京国際郵便局)を経て到着しました。注文してから6日(中国からそれぞれの国の通関手続きを含めて約4日ほどかかり)届きました。
<梱包の状態>
液晶パネルはエアーキャップ(プチプチ)でぐるぐる巻きになっていました。製品の箱などがないバルク品ですが梱包はしっかりしていました。
<新しい液晶パネル>
交換パーツの液晶パネルはAUO B125HAN02.2と互換性のある群創光電 Innolux N125HCE-GN1 (FRU 00NY418)です。
レノボ Lenovo Thinkpad X260 X270 X280で利用可能です。
<ThinkPad X260 左側の4分の1が映らなくなった液晶>
ThinkPad X260の正面から見て左側の4分の1が映らなくなった液晶の画面です。Windowsやメニュー表示、各種ドキュメントは左から読むので、左側が映らないのは本当に致命傷です。指で抑えて指圧したりしても復活する兆しはありませんでした。
<ThinkPad X260 ベゼル フレームを取り外す>
画面の下側のところでパネルとベゼルの間に指先を入れて、壊さない程度の絶妙な力加減でベゼルの間を開くと天板とベゼルを留めている爪が外れるので、一周くるりと外します。
<ThinkPad X260 ベゼル フレーム>
ThinkPad X260 のベゼル フレームはこのようになっているのでツメのある場所を見ておくと、取り外しや取り付けの時の指先の力の入れ具合を調整できると思います。
<ThinkPad X260 周囲にはカメラやWiFiの配線がある>
ThinkPad X260 の天板側の液晶パネルの周囲にはカメラやWiFiの配線があるのでベゼルを外す時にマイナスドライバーなどを使うと断線させてしまうこともあるので注意してほしいです。中古なので隙間に入っていたホコリがあったのでこの機会に軽くクリーニングして作業を進めていきます。
なお、左右のヒンジのそばにあるネジ2本ずつは今回の作業で外す必要がありません。ドライバーなどの工具は無くても素手で液晶パネルが交換可能なので、ThinkPadの素晴らしいメンテナンス性を実感しました。
<ThinkPad X260 静かに液晶を前に倒す>
液晶パネルモジュールは、裏側でeDPコネクタ・ケーブルで接続されているだけなので、静かに手前のキーボード側に倒します。
<ThinkPad X260 液晶接続ケーブル - eDPコネクタの透明なシール>
ThinkPad X260の本体のマザーボードとは液晶接続ケーブル−eDPコネクタで接続されています。
<eDPコネクタの透明なシールを半分くらい剥がす>
eDPコネクタとケーブルを接続しているアーム状の留め具を外すためにeDPコネクタに貼付されている透明なシール状のテープを半分ほどはがします。続けてアーム状の留め具を外します。内部のケーブルは剛性がなさそうなので特に慎重に作業して着脱するようにします。
<ThinkPad X260 天板・液晶パネルの分解>
写真の左側(上)に写っているのがベゼル、下が液晶パネル・モジュール、右側がThinkPad X260本体です。
<交換の液晶パネルと表面保護シート>
交換の液晶パネルには表面保護シートのカバーと左右のテープ(Finger slot)として手で持つ際、この部分を指でつかむようにします。水色のビニール袋に入っていたので下敷きに使っています。
<左が新パネル、右が旧パネル>
旧パネルはAU Optronics B125HAN02.2、FRU 00HN883でした
ちなみにAUOの旧名は達碁科技で、1996年8月に設立され、2001年に聯友光電と合併後に名称をAUOに変更し、2006年に再度広輝電子を合併買収した会社です。
コネクタのアームと透明なシールを元に戻します。透明なテープみたいなものは一度剥がすと透明度がなくなり汚い感じになりますが外部から見えるわけではないので新しいテープがなければ再利用でも差支えないかと思います。
<ThinkPad X260の天板側に液晶パネルをセット>
液晶パネルモジュールを持ち上げて天板側に静かに液晶パネルモジュールをセットします。
続いてThinkPad X260 ベゼル フレームを取付けます。爪の部分を一つずつ噛み合わせていきます。
<ThinkPad X260 液晶交換できた>
電源を入れて軽く動作確認しておきます。無事にThinkPad X260の液晶交換できました!!
<ThinkPad X260 液晶 Windows 10の表示>
左側が映らない故障したパネルの代わりに正常品を取り付けたのできちんと映るようになりました。これで操作も通常通りできます。
<ThinkPad X260 Lenovo diagnosticsによる詳細確認>
F10キーを押しながら電源オンで起動できるLenovo diagnosticsでハードウェアテストを行います。
Lenovo diagnosticsのメニューの上から3番目がLCD Testです。
参考:Lenovo Support パソコンの診断方法(Windowsが起動しない場合)
https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/HT503688
Lenovo diagnosticsによるハードウェアの詳細確認で、LCD Testを実行しました。
<LCD TestのRed solid colerによる目視確認>
上はLCD TestのRed solid colerによる目視確認の写真です。ほかの色(Blue、Green、Black、White)やパターンの表示もOKでした。
<Lenovo diagnosticsによる詳細確認 LCD Testの結果>
全ての検査項目をパスして、Lenovo diagnosticsによる詳細確認 LCD Test完了しました。
あとはWindows上での輝度調整、F5/F6キーの確認もしましたが明るさの調整もバッチリできました。
これでThinkPadを自分で修理 ThinkPad X260の液晶パネルを交換するの全作業工程の完了です。
ThinkPadといえばレノボ・ジャパン
Lenovoサポート 修理サービス - 引取り修理サービス料金( https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/hf000982 ) では、液晶不具合の場合は約5万円からの修理料金がかかります。液晶パネルがフルHDのIPS液晶なのでTNのHDパネルからの差額を考慮すると6万円くらいになると思われます。
自前修理の場合には、保証はありませんが作業費がかかりませんし、輸送費もいりません。交換パーツも海外サイトから直接やアマゾンなどで上手に仕入れれば安くできます。作業はすべて自己責任となります。
■修理の事前準備
1. 故障個所を確認する。
2. 交換対象パーツの製品番号(品番)を確認する。
(起動時の画面や分解して配線状況などといっしょに調べます。)
3. 交換パーツを注文する。
■ThinkPadを自分で修理する手順
1. 納品された交換パーツを確認する。
2. ThinkPad分解作業の作業スペースと道具などを用意する。
3. 分解する。
4. 故障したパーツを取り外す。
5. 正常なパーツを取り付ける。
6. 仮組みして簡易動作確認する。
7. 詳細な動作確認をする。
以上で完了です。長時間の表示状態の確認は使いながら確認することにします。
ここまでの液晶パネルの交換から動作確認の様子を写真とともに紹介します。ほかのThinkPad Xシリーズでも参考にしていただければと思います。
<EMSで届いた品物>
EMS 国際郵便物としてCHINAの国際交換局(GUANGZHOU EM)から東京都の国際交換局(138-8799 東京国際郵便局)を経て到着しました。注文してから6日(中国からそれぞれの国の通関手続きを含めて約4日ほどかかり)届きました。
<梱包の状態>
液晶パネルはエアーキャップ(プチプチ)でぐるぐる巻きになっていました。製品の箱などがないバルク品ですが梱包はしっかりしていました。
<新しい液晶パネル>
交換パーツの液晶パネルはAUO B125HAN02.2と互換性のある群創光電 Innolux N125HCE-GN1 (FRU 00NY418)です。
レノボ Lenovo Thinkpad X260 X270 X280で利用可能です。
<ThinkPad X260 左側の4分の1が映らなくなった液晶>
ThinkPad X260の正面から見て左側の4分の1が映らなくなった液晶の画面です。Windowsやメニュー表示、各種ドキュメントは左から読むので、左側が映らないのは本当に致命傷です。指で抑えて指圧したりしても復活する兆しはありませんでした。
<ThinkPad X260 ベゼル フレームを取り外す>
画面の下側のところでパネルとベゼルの間に指先を入れて、壊さない程度の絶妙な力加減でベゼルの間を開くと天板とベゼルを留めている爪が外れるので、一周くるりと外します。
<ThinkPad X260 ベゼル フレーム>
ThinkPad X260 のベゼル フレームはこのようになっているのでツメのある場所を見ておくと、取り外しや取り付けの時の指先の力の入れ具合を調整できると思います。
<ThinkPad X260 周囲にはカメラやWiFiの配線がある>
ThinkPad X260 の天板側の液晶パネルの周囲にはカメラやWiFiの配線があるのでベゼルを外す時にマイナスドライバーなどを使うと断線させてしまうこともあるので注意してほしいです。中古なので隙間に入っていたホコリがあったのでこの機会に軽くクリーニングして作業を進めていきます。
なお、左右のヒンジのそばにあるネジ2本ずつは今回の作業で外す必要がありません。ドライバーなどの工具は無くても素手で液晶パネルが交換可能なので、ThinkPadの素晴らしいメンテナンス性を実感しました。
<ThinkPad X260 静かに液晶を前に倒す>
液晶パネルモジュールは、裏側でeDPコネクタ・ケーブルで接続されているだけなので、静かに手前のキーボード側に倒します。
<ThinkPad X260 液晶接続ケーブル - eDPコネクタの透明なシール>
ThinkPad X260の本体のマザーボードとは液晶接続ケーブル−eDPコネクタで接続されています。
<eDPコネクタの透明なシールを半分くらい剥がす>
eDPコネクタとケーブルを接続しているアーム状の留め具を外すためにeDPコネクタに貼付されている透明なシール状のテープを半分ほどはがします。続けてアーム状の留め具を外します。内部のケーブルは剛性がなさそうなので特に慎重に作業して着脱するようにします。
<ThinkPad X260 天板・液晶パネルの分解>
写真の左側(上)に写っているのがベゼル、下が液晶パネル・モジュール、右側がThinkPad X260本体です。
<交換の液晶パネルと表面保護シート>
交換の液晶パネルには表面保護シートのカバーと左右のテープ(Finger slot)として手で持つ際、この部分を指でつかむようにします。水色のビニール袋に入っていたので下敷きに使っています。
<左が新パネル、右が旧パネル>
旧パネルはAU Optronics B125HAN02.2、FRU 00HN883でした
ちなみにAUOの旧名は達碁科技で、1996年8月に設立され、2001年に聯友光電と合併後に名称をAUOに変更し、2006年に再度広輝電子を合併買収した会社です。
コネクタのアームと透明なシールを元に戻します。透明なテープみたいなものは一度剥がすと透明度がなくなり汚い感じになりますが外部から見えるわけではないので新しいテープがなければ再利用でも差支えないかと思います。
<ThinkPad X260の天板側に液晶パネルをセット>
液晶パネルモジュールを持ち上げて天板側に静かに液晶パネルモジュールをセットします。
続いてThinkPad X260 ベゼル フレームを取付けます。爪の部分を一つずつ噛み合わせていきます。
<ThinkPad X260 液晶交換できた>
電源を入れて軽く動作確認しておきます。無事にThinkPad X260の液晶交換できました!!
<ThinkPad X260 液晶 Windows 10の表示>
左側が映らない故障したパネルの代わりに正常品を取り付けたのできちんと映るようになりました。これで操作も通常通りできます。
<ThinkPad X260 Lenovo diagnosticsによる詳細確認>
F10キーを押しながら電源オンで起動できるLenovo diagnosticsでハードウェアテストを行います。
Lenovo diagnosticsのメニューの上から3番目がLCD Testです。
参考:Lenovo Support パソコンの診断方法(Windowsが起動しない場合)
https://support.lenovo.com/jp/ja/solutions/HT503688
Lenovo diagnosticsによるハードウェアの詳細確認で、LCD Testを実行しました。
<LCD TestのRed solid colerによる目視確認>
上はLCD TestのRed solid colerによる目視確認の写真です。ほかの色(Blue、Green、Black、White)やパターンの表示もOKでした。
<Lenovo diagnosticsによる詳細確認 LCD Testの結果>
全ての検査項目をパスして、Lenovo diagnosticsによる詳細確認 LCD Test完了しました。
あとはWindows上での輝度調整、F5/F6キーの確認もしましたが明るさの調整もバッチリできました。
これでThinkPadを自分で修理 ThinkPad X260の液晶パネルを交換するの全作業工程の完了です。
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Comment
参考になりました。互換部品を探っていくとトップカバーにFHD用とHD用があるようなんですが、液晶パネルをFHDにグレードアップする際にトップカバーの交換は不要でしたか?
Posted by: なべ |at: 2019/10/26 1:48 PM
この記事のThinkPad X260はもともとHDパネルが搭載されていました。FHDパネルに交換しましたがトップカバーの交換は不要でした。
Posted by: ThinkPad-Plus |at: 2019/10/27 7:32 PM
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